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ボストン・チルドレンズ・ミュージアムで京の町家体験!

05/05/17 21:00 (ET)
Image: ボストン・チルドレンズ・ミュージアムで京の町家体験!

 5月5日「こどもの日」にちなんで、今回は子供から大人までが楽しめる博物館「ボストン・チルドレンズ・ミュージアム」をご紹介します。ここは、触って学べる「ハンズオン」をテーマにした博物館。日本文化のコーナーでは、築100 年以上の京の町家が展示されており、実際に家の中に入って当時の生活を感じることができます。

 アメリカ北東部・マサチューセッツ州の州都ボストン。アメリカ独立戦争の発端となった街です。また、全米最初の高等教育機関であるハーバード大学を始め、マサチューセッツ工科大学などの有名大学が集中していることから歴史と文化、そして学問の街として知られています。

 そんな学術都市ボストンを象徴しているのがボストン・チルドレンズ・ミュージアム。この博物館には“触って学ぶ”「ハンズオン」をテーマに、五感を使って遊ぶ体験型アクティビティーがたくさんあります。博物館スタッフによると、「手で触って学べる施設を1913年に作りました。教科書からではなく、体を使って学ぶ遊びの力です。楽しいと思う気持ちは子供たちの学ぶ意欲を高めます。この博物館では遊びを通して知性を育てることができるんです」とのこと。

 さまざまな展示の中に日本文化のコーナーがあります。そこには築100年以上の京都の町家がそのまま展示されているんです。京都の町家は1950年以前に建てられた、職住一体型の伝統的な木造住宅です。かつてこの町家は京都の西陣にあり、人が実際に暮らしていましたが、1979年に「姉妹都市20周年記念」として京都からボストンに贈られました。町家は一度解体され、船と貨物列車で2週間以上かけてボストンまで運ばれ、日本の大工たちによって博物館の中に移築されました。博物館の日本人スタッフの茶山さんに町家展示についてうかがいました。「歴史的建造物となる古い本物の町家。普段でしたらこういう歴史的建造物はガードマンが立っていて、『触ったらダメ』というサインがあるかと思いますが、ここではそうではなく、子供たちが本当に京都にいるような気分が味わえる体験型の展示にしています。靴を脱いで入って、まるで京都の古い家に遊びに来たような体験ができるように 紹介しております」

 間口が狭く奥に細長い町家は、「ウナギの寝床」とも言われ、一階には居間と座敷があり、座敷には仏壇があります。奥には坪庭といわれる小さな中庭があり、座敷から草花を眺めることができます。坪庭は風の流れを取り込み、家の中を涼しくする役目も果たしています。また、町家のもう一つの特徴は格子です。住居と店が一体となっているので、来客にすぐ気付けるよう、中から外が見えるように作られています。二階には京都ならではの茶室もあります。この茶室で茶道のレッスンも行われています。

 来場者に感想を聞いてみました。アメリカ人女性は、「私たちの家とは全然違うわ」と答え、その二人の子供たちは、「キッチンが面白くて好きだった」「庭が面白かった」と感想を教えてくれました。

 また、この町家には今の一般的な日本のお風呂場も設置されており、アメリカの住宅との違いを知ることができます。茶山さんは、来場した子供たちに日本のお風呂場の説明をします。「座った時に少しのお湯でも肩まで来るように作られていて、温かいお湯の中に浸かれるように工夫されています。体は浴槽の中で洗ってはだめで、浴槽の外で洗わなきゃいけないんです」。

 最後に茶山さんは、「日本文化を学びながら、その奥には、どういう風にお互いのことを学んでいくか、どういう風にお互いの文化を尊重していくような大人になるかということも大切にしてもらえるよう、紹介しております」と語ってくれました。

 なお、この博物館では町家を活用し、日本の四季折々の伝統行事を楽しめるイベントを行っています。お正月にはじまり、3月は雛祭り、5月はこどもの日など季節に合った日本の文化を学び、交流できる場となっています。日本人の生活の知恵がちりばめられ、人とのふれあいを大切にしてきた町家。100年以上たった現在、異国の地で日米交流の架け橋となっています。町家内部の公開時間の詳細は博物館のウェブサイトでご確認ください。

Boston Children’s Museum
www.bostonchildrensmuseum.org
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