アート

日本人らしい繊細さを武器に新感覚アートに挑戦する3人のクリエーター: 第2弾 氷の彫刻家・岡本慎太郎さん

01/12/18 21:00 (ET)
Image: 日本人らしい繊細さを武器に新感覚アートに挑戦する3人のクリエーター: 第2弾 氷の彫刻家・岡本慎太郎さん

新感覚アートに挑戦する日本人クリエーター特集の第二弾! 幻想的な氷の彫刻を作り上げる日本人アーティスト・岡本慎太郎さんです。氷の彫刻といっても、岡本さんの作る作品は、創造性に富んだアイデアと、斬新なデザインで、他に例のない独特な世界を創り出しています。今回も番組MCの辛源が、氷の彫刻を体験してきました。

 辛源が訪れたのは、ニューヨーク・クイーンズ区のアストリアにある氷の彫刻家・岡本慎太郎さんのスタジオ。

011218-1 岡本さんが生み出す氷の彫刻はどれも、繊細かつリアリティにあふれたものばかり。今まで氷では表現しきれなかった、細部にまでこだわるその技術とセンスは、氷彫刻の世界で高い評価を得ています。また観客の目の前で行う、ライブカービングは圧巻のパフォーマンスで、チェーンソーを器用に使いこなし、ダイナミックに氷を削っていく。

 パフォーマンスを見に来ていた観客は、「とっても美しいわ。作るのが大変そう!」「すごい作品だね。ぜひ僕もトライしてみたいよ。ゴーグルして(チェーンソーで)カットしてみたいね!」と大興奮の様子。

 2015年には、バーニーズ・ニューヨークのショーウィンドーを氷のスタジオに変えてライブカービングを行い、大きな注目を集めました。その岡本さんにスタジオ内を案内していただきました。

 「これは氷を作るマシーンなんですけど、開けるとクーリング(冷却装置)が下だけにあって、下から上にしか氷ができないんです。普通、そのまま水を冷凍庫に入れると、四方八方からの冷気が来て凍る。そうすると、最後に中に空気が入ってしまって、白くなるんです。でも下からだけ凍らすと、常に空気のエネルギーが上に逃げるから、透明な氷ができるんです。できた氷が、こういう風にプロダクションのフロアに毎日出てきて、これから色んなデザインを掘っていく素材になります」

 制作プロセスは、はじめに氷の表面に作品のデッサンをしていきます。大体のアウトラインが決まったところで、外側のいらない部分から カット。辛源も少しだけ手伝わせてもらいました。

 「(氷を指しながら)ゴールとしては、ここをまっすぐ切って、あとは横へこう切って、これが取れるかな」という岡本さんの指示に従い、緊張しながらもカットしていく辛源。

 「ナイス! すごい! メンバー探してるんで」と言う岡本さんに、「あーそうですか。ハハハ。ぜひ!」と辛源もうれしそうだ。  岡本さんは9歳のとき、家族でアラスカに移り住みました。もともと幼い頃から絵画の才能があったため、大学ではアートを選考し、修士号を取得しました。

  「父親が氷彫刻をずっとやっていて、僕は子供の頃から氷に触れて育ちました。ちょうど僕が大学院でペインティング(の課程)を終わらす時に、これから人生どうしようっていう時に、一緒に氷をニューヨークでやらないかって話になって」

 2003年、父・武夫さんと共に、「OKAMOTO STUDIO」を設立。その後、武夫さんが亡くなった後、岡本さんが独り立ちし、10人以上のスタッフを率いて、幅広くビジネスを展開しています。

011218-2 「 ニューヨークで氷を作る魅力の一つはやっぱり、ファッション関係とかフィルム関係、コーポレート関係、それからウェディングもあれば色んな事業の人たちとコラボができるっていう点があって。リアルな氷とは思えない様な存在感を作ってあげたいと思っています。スタジオをやって15年目に入るんですけど、もっといろんな人が楽しめるような新しい作品を作っていきたいという気持ちはたくさんありますね」

 最後に、今年の干支、犬の彫刻もほんの1時間ほどで完成させました。岡本さんの頭には、3Dの完成図がインプットされているようで、無駄のない道具さばきが冴え渡っていました。
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