今年は東日本大震災から10年の節目を迎えます。北米でも毎年各地で追悼イベントが行なわれていますが、今回はロサンゼルスとニューヨークのイベント主催者に10年の想いとコロナ禍で開催する今年の式典について話を伺いました。
ロサンゼルスで開かれる追悼集会「LOVE TO NIPPON」。この集会を立ち上げた、LOVE TO NIPPON PROJECT代表の鵜浦真紗子(うのうら・まさこ)さんは、一時帰国中に宮城県気仙沼で自ら被災し、九死に一生を得ました。
「私たちのように被災をした、全てを失った、家族を失った、財産も何もかもなくなった人にとって10年だから特別じゃないんですよ。毎年特別だから。だから毎年やっていることを今年もみんなとやっていこうと」
ロサンゼルス市警察本部で行なわれる追悼集会では、犠牲者を追悼すると共に、日本の震災を教訓に、ロサンゼルスに住む人たちにも防災意識を高めてほしいと呼び掛ける活動をしています。
鵜浦さんは、「子供たちに、次の世代の人たちに、地震が起きた時にどう行動するか、どこに隠れるの? どこで集合するのということを、そういう基本的な家族の約束をきちっと考えていただきたい。そういう機会をみんなで共有できるプラットフォームを開催して、伝えていくことが非常に重要なミッションだと思っています」と話してくれました。
10回目となる今年は3月10日(水)に、オンライン上で日米をつなぎ、防災についての講演会や被災地への応援メッセージと復興支援ソングの合唱などを世界に向けて発信するそうです。
「このひとときを共有してもらうということを世界中の皆さんとしたいなと。3月11日のちょうど日本時間の午前中から午後、まさに2時46分もしっかり取り込んで、ズームの会議を世界に発信しようという企画で今、進めています。何でこれだけ10年も続けてこられたんだろうって、色んな人に聞かれますが、それは私がやっているのではなく、亡くなった人がみんな私の背中を押してくれているんです。それしかないと私は思っています」
ニューヨークの教会から東北へ祈りを捧げる追悼式典「TOGETHER FOR 3.11」。その主催代表を務めるのは、シンガーソングライターのAKさんです。毎年、東北からのゲストスピーカーによる体験談やビデオメッセージを追悼式で紹介するなど被災地の声をニューヨークに届けています。
「この追悼式を10年続けて、私自身が感じたことは、人と人の想いというのが、距離ではなく、離れていてもどこにいてもつながれるという、想いというのは本当に強いんだなと感じました。この追悼式を通して東北の皆さんと、よりニューヨークがつながれる一瞬になったっていうこともあるので、この10年の中でその絆がどんどん強くなっていったのは確かだと思います」
式典では、被災地から届いた知事のメッセージのほか、原発事故の被害を受けた福島の高校生や岩手の酒造メーカーなどを招いてスピーチを行なってきました。またメッセージカードのやりとりなど東北とニューヨークの人たちとの交流の場にもなっています。今年の追悼式は、オンライン配信で行なわれます。10回目という節目に、東北の方たちに改めて「ニューヨークは忘れていない」というメッセージを伝えたいそうです。(式典は3月6日に開催)
「今年ももちろん岩手・宮城・福島の被災された方々からのビデオメッセージを流す予定でいて、それに加えてこれまでの10年の追悼式典の模様であったり、色んな意味でダイジェストを予定しています。この10年、被災地の方々からビデオメッセージをいただく中で、忘れないでほしいという言葉を一番多く聞いたんですね。なのでその気持ちを今年も新たにしたいと思いますし、被災地の皆さんからいただくメッセージには、私たちが未来のためにできることをたくさん、たくさん教えて頂いていますので、ぜひ皆さんに参加していただいて、皆さんそれぞれの想いと祈りを東北の皆さんに届けられたらと思います」
オンラインで行なわれる追悼集会。北米どこからでも参加できますので、10年という節目に再度、東北へ想いを寄せたいですね。
LOVE TO NIPPON
lovetonippon.org
TOGETHER FOR 3.11
https://www.facebook.com/TOGETHERFOR311/