全米では未だに新型コロナウイルスの感染拡大の勢いが止まりません。そんな中でも、万が一ウイルスが体内に入っても免疫力が高ければ防御できるかもしれません。今回の特集では、体の免疫力を高める、食材や調理の仕方についてお届けします。
免疫とは、私たちの体に侵入してくる細菌やウイルス、アレルギー物質などの異物を体外へ排出してくれる防御システムのことです。免疫力は、ストレスや睡眠不足、運動不足、飲酒・喫煙など、生活習慣が乱れると低下してしまいます。
健康な体でいるためには、免疫力を高めることが大切です。そのためには適度な運動や睡眠のほか、ストレスをためないようにすることは不可欠ですが、これらと同じぐらい大切なのが食事です。そこで、免疫力を向上させる食事について、米国登録栄養士の宮下麻子さんに話を伺いました。
宮下さんは、「免疫力を高めるということは、腸内環境を良くしないといけない。なぜかというと、腸内、免疫システムの60%〜70%、大体70%ぐらいが腸の中にあるんですね。なので、腸内を中心に、まず食事で改善していかないといけない」といいます。
体の免疫細胞のおよそ7割が集中しているといわれる腸。その腸を元気に保って、免疫力をアップする食材にはどんなものがあるのか、宮下さんに聞きました。
「免疫力を上げる食材は、発酵食品が主ですね。ヨーグルト、納豆とかみそ、そしてキムチなど。あとは、免疫力を上げるのにビタミンCなんですが、レモンとかミカンなどのかんきつ類にもたくさんビタミンCが入っていますが、やはり濃い緑の野菜ですね。そういうものにもたくさんビタミンCが入っています」
例えば、アメリカのスーパーマーケットでよく見掛ける、ケールやスイスチャード、芽キャベツ、マスタードグリーンなどにもビタミンCが多く含まれます。その他にも免疫細胞を活発にするオメガ3脂肪酸が豊富な青魚やフラックスシードオイル。免疫機能を調整するビタミンDが豊富な、きのこ類や海草類なども積極的に取り入れたい食材です。
これらを調理する時、あるものを加えることでさらに免疫力アップにつながると宮下さんは言います。「スパイス類、ジンジャーとかシナモンとかターメリック、あとはハーブ類でいうとパセリとかパクチー、そういったハーブ類は、腸内環境を良くしてくれるんですけれども、特にハーブ類は腸内環境の餌になってくれる、どんどん善玉菌が増えるんですけども、なのでスパイスとかハーブ類を上手く、例えば、ソテーした野菜にターメリックを入れてみるとか、スープを作ったらパセリを散らしてみる、サラダの中にパセリとかパクチーを加えてみる。そういった日々の工夫を重ねるといいと思います」
また、注意点として、「免疫力を上げるために、食べ方はとても大事ですが、これが免疫力にいいという情報が入ってきて、そればっかり食べるのではなくて、きちんとご飯、タンパク質、そして野菜類、給食を思い出してもらえばいいと思うのですが、バランス良く食べることが大事なんです」と教えてくれました。
また食べる際のポイントとして、汁物や野菜から食べると腸での吸収がスムーズになり体に栄養素が行き渡るとのことです。
「ただ腸が健康でないと、栄養が吸収できないので、できるだけ先に、最近調子が悪いなという方は、できるだけ野菜中心の食事をとって、最初から糖質を入れないようにしておくといいと思います」
宮下さんに、免疫力アップにいい食材を使った料理例を紹介していただきました。まずは、「野菜のトマトみそクリームパスタ」。発酵食品のみそ、ビタミンCたっぷりのケール、ビタミンD豊富なマッシュルームが免疫力アップのポイントとのことで、「1回の食事の中にいくつか野菜を取り入れるのが理想なんですね。今回のパスタでも大量に野菜を使いました」と教えてくれました。お好みでハーブやチーズを加えればさらに免疫力アップが期待できます。
そして、デザートも一工夫すれば、免疫力アップにつながります。オメガ3脂肪酸が豊富なフラックスシードオイル、ビタミンCたっぷりのイチゴを使った「チョコレート豆腐ムース〜イチゴソース〜」もおすすめです。
宮下さんは、「毎日色んな物を食べることで体ができ上がってくるので、免疫力アップ必ず、絶対に免疫力が上がってきますので、ぜひ栄養をとって健康に気をつけてお過ごしください」と話してくれました。
レシピはこちらから
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