エンタメ・最新ニュース

アニメのコンベンション「Anime NYC」

11/22/19 21:00 (ET)
Image: アニメのコンベンション「Anime NYC」

先日、ニューヨークで開かれたアニメのコンベンション、「Anime NYC」。日本のアニメなどのポップカルチャーを紹介する、このイベントの模様をお伝えします。

15日から17日までの3日間。ニューヨーク、ジャビッツセンターで開かれた「Anime NYC」。今年で3回目の開催となったこのイベントでは、日本のポップカルチャーの紹介、グッズの販売、アーケードゲーム、コスプレなどが行われました。

パネルディスカッションは、参加した声優やアーティスト、制作サイドのゲストとファンが交流するイベントになっています。今年で40周年を迎えた人気アニメ「ガンダム」の作者、富野由悠季(とみのよしゆき)さんもゲストとして参加しました。そして、アニメソングのアーティストらが集結する、「ランティス祭り」も開かれ、大勢のアニメファンで盛り上がりました。

Anime NYCイベントディレクターのピーター・タタラさんに話を聞きました。「日本のコンテンツをファンと楽しむために企画しました。コミコンや映画祭はあっても日本アニメに特化したものはありませんでした。世界最大の都市、ニューヨークでファンが集まれる場所なんです」

日本のアニメ産業は世界的なアニメ人気の影響で市場規模が2兆円を突破、その半分が海外だといいます。今年のAnime NYCは会場を拡大。来場者は4万人を記録しました。

ピーターさんは、「市場は今までにない最大規模で、さらに成長しています。テクノロジーが進み、今はどこでもアニメが観られます。今流行しているのはアニメ製作のグローバル化です。アニメの神髄はもちろん日本にありますが、Netflixやさまざまなクリエイターと新しい作品を作っています。もう一つはこのようなライブイベントです。アニメはオンラインで一人で観られますが、実際にファンと交流することでアニメへの情熱を共感できるんです」と語ります。

会場のファンにも話を聞きました。「『ハウルの動く城』や『千と千尋の神隠し』を観て育ちました。だから、『ハウル』のコスプレをしました」「日本のアニメは楽しい」「ジャンルがたくさんあって選べるし」「日本の文化や生活を知ることができるんだ」

そして今回、オープニングセレモニーでは、在ニューヨーク日本国総領事館の山野内勘二大使が、今年7月に起きた、「京都アニメーション放火殺人事件」の被害に遭った京都アニメーションへのサポートに対する感謝の言葉を述べました。

「犠牲者へのサポートに心から感謝します。皆さんは2億円ものお金を募金してくれました。皆さんの尊敬と愛の証だと思います。言葉にできないくらい、感謝の気持ちでいっぱいです」

アニメ制作会社 京都アニメーション(京アニ)は「涼宮ハルヒの憂鬱」や、テレビジャパンで放送中の「けいおん!」が社会現象的なブームを引き起こし、世界にその名が知られるようになりました。

7月に起きた、「京都アニメーション放火殺人事件」。制作スタジオに男が侵入し、ガソリンを撒いて放火したことで、36人が死亡、33人が重軽傷を負った悲惨な事件です。

事件発生後すぐに犠牲者のためにファンドレイジングを立ち上げたのが、アニメ配給会社、「Sentai Film Works(センタイ・フィルムワークス)」です。センタイ・フィルムワークスは京アニのコンテンツを10年以上前から北米に配給していて、親交がありました。京アニへの募金はおよそ236万ドル、日本円にして2億5000万円が集まりました。

センタイ・フィルムワークスPRのサム・バトラーさんは、「傷ついた京アニの皆さんに私たちは何ができるのか? この状況で何が一番力になれるのか? 募金はそんな気持ちから立ち上げました。世界中から募金は集まりました。フランス、スペイン、ポルトガル、ロシアなど、さまざまな言語で励ましのメッセージが届きました。最も伝えたかったのは、私たちは京アニのために常に寄り添っているということです」

センタイ・フィルムワークスは、来年にも京アニの新作の配給を予定しており、北米にこれからも日本アニメの魅力を伝えていきたいと言います

今年のAnime NYCは日本アニメの人気の広がり、そして北米ファンの強い絆を感じられるイベントでした。

Anime NYCの初日の11月15日は、ニューヨーク市では「ガンダムの日」とすることが発表されました。40年にわたる「ガンダムシリーズ」の功績を称えてのことだそうです。
テレビジャパンCLUBのTOPに戻る

PAGE TOP