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NYの教育最前線 「将来AIに負けないスキル」を学べるオンラインスクール『DEAREST』

02/16/21 12:12 (ET)

新型コロナの影響で学校の授業がオンラインになるなど、子供の学習に対して不安を抱える親も多いのではないでしょうか。急速なデジタル化が進む今、子供たちにはどんな教育が必要なのでしょうか。「ニューヨークの教育最前線」についてお伝えします。

およそ10年後の未来、子供たちの65%が、今存在しない職業に就くといわれているのをご存じですか? テクノロジーの発展により、今の子供が大人になる頃には、トラックドライバーや受付業務など、さまざまな仕事が機械やAIに変わるといわれています。そこで今回、「将来AIに負けないスキル」を学べるオンラインスクール「Dearest, Inc.」代表取締役社長の中澤英子さんにお話をうかがいました。

ニューヨークに本社を置くDearestは、3歳から12歳の子供を対象に最先端の教育、「Future Ready Curriculum(フューチャーレディカリキュラム)」などを提供しています。優れた教育者や専門家をウェブサイトでブッキングできるのがこのスクールの特徴です。

この「フューチャーレディカリキュラム」で教える「AI・自動化の進む未来に役立つスキル」とはどのようなものなのでしょうか?

中澤さんは、未来に必要なスキルは、三つの項目に分かれていると説明します。

一つ目は、「Creativity & Innovation」。簡単に自動化できないクリエイティブ性、臨機応変に乗り越える力、深く考え抜く力をつけること。AIにはない感受性や、新しいものを生みだす、「人間ならではの強み」を伸ばします。

二つ目は、「Interpersonal Intelligence」。コミュニケーション力、共感力、やりきる力、リーダーシップなどの対人能力。機械にはできない、人を導く力、気持ちを理解しながら協力していく力を磨きます。

三つ目は、「Global Citizenship」。自分のコミュニティーや国、世界について理解し、より良い社会を実現していく力、多様性、ソーシャルインパクト。環境問題や人種問題が深刻になっていく中、グローバルな視点で物事を考えられる人間を育成します。

「どのプログラムもこの三つの項目に沿ってデザインされており、受動的に学ぶという内容ではなく、プロジェクトを一つ一つ完成させながら、体験しながら学ぶ手法をとっています」

中でも、今人気なのは「マインドフルネスアート」のクラス。コロナの影響もあり注目されているこのクラスでは、自己肯定感を育むことができます。

そしてもう一つが、「STEAM」です。中澤さんは「サイエンス、テクノロジー、エンジニアリング、マスマティックスを訳したSTEMにアートを組み込んだものを『STEAM』と呼んでいますが、テクノロジーの進化がさらに加速する世の中で、これらのスキルを磨くのはとても重要だと考えています」と話してくれました。

最近行ったことについて、「紙に銅線を使ったアートを作って、そこに電球をつけて、電池をつけて光をつけながらアートを作っていくものを、まずは自分で、そのあとはチームで一つのアートを完成させていきました。それによってアートもそうですし、あとは電気の流れ方の実験とかそういうのも含んで行っています」と解説します。

また、中澤さんは「人の能力は努力によって成長できる」という「成長思考」を先生の指導法やカリキュラムすべてに取り入れています。

「成長思考というのは、スタンフォード大学の心理学者のキャロル・ドゥエックという人が考案した、人の知能はいつでも発達することができる、努力は結果につながるという考え方です。成長思考を持っているお子さん、大人もそうですけど、そういう人たちは難しいことに直面した時もチャレンジを楽しめたり、困難を乗り越えて目標を達成することができます。また生まれつきの能力や状況のせいにせず、努力を重ねてスキルを上達していくことができます」

成長思考をつけるために、家庭で簡単にできる「声掛け」の方法を教えていただきました。日々、子供に言っていることを少しだけ変えるだけで、成長思考がつけられるといいます。

「例えばうちの息子は、けんじといいますが、「けんちゃんは賢いからね」と言うのではなく、何か成果があった時、頑張った時に、「頑張った甲斐があったね」と褒めることでプロセス、成長にフォーカスを当てることができます」

子供が何かができないときに、「向いていないみたいだね」ではなくて、「やり方を変えてみよう。必ずできるようになるから」という形で、スイッチを変えてみるように勧めています。

さらには、「『すごい、できたね。簡単だったね、よかったね』ではなく、簡単だったことを喜ぶよりも、『ちょっと簡単すぎたいだね、もっと難しいことにチャレンジしてみよう』と、チャレンジを楽しむ、チャレンジを喜ぶことにスイッチしていく」とアドバイスします。

また、「うまくできないことで、『ちゃんと授業聞いているの?』『全然やる気がないんじゃないの』と言ってしまいがちですが、それを堪えて、『あ、違う、まだ、これはまだできないんだね』と、『まだの力』と呼んでいますが、『まだできないから、どうやったらできるか一緒に考えてみよう』という声掛けに変えてみる。こういう少しずつの小さい変化によって、日々の成長思考を育成するきっかけを作るのをお勧めします」と話してくれました。

体験者の親に話を聞きました。ニック・デミングさんは、「娘は意図的に成長しようという姿勢になりました。将来に必要な能力を身につけられています批判的思考、協力する力、まわりに感謝する心などです」といい、、フォスティーヌ・ロックさんは、「息子は5歳ですが創造力や分析力、コミュニケーション力など生涯役に立つスキルを学べています」と話してくれました。

デジタル化が加速していく将来。AIに取ってかわられない、クリエイティブ性やグローバルな教育が、今求められているんですね。

成長思考を育成する「声掛け」、みなさんも家で実践してみてはいかがでしょうか。

NYのオンラインスクール・家庭教師
Dearest, Inc.
www.dearest.io
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