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治安情報と安全対策

11/06/20 21:20 (ET)
Image: 治安情報と安全対策

アメリカでは新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済の落ち込みや人種差別の問題をめぐる対立などで、治安の悪化が懸念されています。そこで全米の中でも特に在留邦人の多い都市、ニューヨークとロサンゼルスで、どのような犯罪が増えているのか、そして安全対策について、総領事館の方にうかがいました。

コロナ禍以降、アメリカでは自分の身を守ろうと銃を買い求める人が急増。ニューヨーク市内では、前年度に比べ2倍の銃撃事件が発生しているなど、治安の悪化に不安が広がっています。

そんな中、先日、ニューヨーク・マンハッタンの地下鉄構内で日本人が暴行され重症を負うという事件が起りました。またその1週間後には、日本人女性が道で押し倒され強盗に遭うという事件も。そうしたニューヨークの治安の現状について総領事館で話をうかがいました。

在ニューヨーク日本国総領事館の野﨑隆領事に聞きました。「NYPD(ニューヨーク市警)の統計によりますと、インデックスクライムと呼ばれる重要犯罪では、殺人事件の発生件数が362件で前年対比36.6%のプラス、侵入窃盗が12,115件でプラス42.3%、さらには高額窃盗が6,959件で、プラス63.3%と、いずれも増加傾向にあります」とのこと。また「夜間に限らず、夕方や日中でもさまざまな犯罪が発生しているようです。新型コロナの影響により、失業や生活のストレスなどのさまざまな不安の要因から、治安が悪化しているといわれています」と話してくれました。

犯罪発生件数が多い地域は、ニューヨーク市が公開している犯罪マップで見ることができます。赤が濃くなるにつれて人口に対する犯罪件数が多く、マンハッタンではミッドタウンやハーレムが危険地域となっています。

一方、在留邦人の数が全米で最も多いロサンゼルスの治安はどのような状況にあるのでしょうか?

在ロサンゼルス日本国総領事館の中川弘一首席領事に聞きました。「LAPD(ロサンゼルス市警察)の統計によりますと、2020年1月から今年の10月10日現在、殺人事件は255件でプラス23.2%、車両の窃盗事件は16,233件でプラス35.5%ということで、一部犯罪については昨年よりも増加しています。犯罪の発生件数の多い傾向にある地域としては、リトル東京の南側にありますスキッドロウ、それからロサンゼルス国際空港東にあるイングルウッド、サウスロサンゼルス、コンプトンといった地域が今、あげられます。内容などの詳細な情報については、LAPDのホームページ上でも犯罪発生件数、クライムマップあ掲載されておりますので、ぜひご参照いただければと思います」

ロサンゼルスでも、日系人が被害に遭う事件が発生しています。6月にはトーランス市内で日系店舗の入り口に脅迫文が張られるという事件が、7月には日本食レストランに石が投げ付けられる事件が発生しました。

「このトーランス市で起った事案につきましては、当館の武藤顕総領事からただちにトーランス市長に対して、こういったいかなる差別的な行為も容認できないことをに強く申し入れて、善処を求めました。そうしたところトーランス市の市議会において、アジア系住民の安全のための断固たる措置を取るというふうな決議が採択された経緯もございます。その後は、こういった事案も発生しておりませんのでぜひ何かありましたら、総領事館にもご通報ください。しっかりと我々も協力をさせていただき、その上で皆さま方が今後も安全に暮らせるように全力で対処していきたいと考えております」

またカリフォルニア州で、例年発生している山火事に対しても総領事館では注意喚起を促しています。総領事館から発信される情報や関連ウェブサイトで最新の山火事情報の確認を行い、災害や事故に巻き込まれないよう気をつけてください。

では、普段の生活の中で犯罪から身を守るにはどのような注意が必要なのでしょうか?

野崎領事は、「まず、外出する際には、人通りが多い場所を通っていただきたいと思います」と話してくれました。また、「たとえ近道であっても、人通りの少ない道は避けるべきです。また、ヘッドホンやイヤホンなどで大きな音で音楽などを聞きながら歩くのも大変危険ですのでやめてください。バスや電車に乗る際は、特に自分の所持品に十分注意してください。常に自分の持ち物に意識を持つということが大変重要になります」と注意を促します。

さらに、「もし見知らぬ人に声を掛けられたり、あるいは嫌がらせを受けたりした場合は決して相手にせずに、その場から速やかに立ち去るように心掛けてください。相手に反応を示すことが更に重大な結果を招くということも考えられますので、十分注意していただきたいと思います」と注意するポイントをあげてくれました。

万が一被害にあった場合は、安全の確保を最優先にし、抵抗したり、犯人を追い掛けたりはしないこと。そして犯人の人種や人相、着衣、逃走方向を記録し、次に警察(911)への通報。目撃者やスマホでの撮影者がいた場合には協力を求めるようにしてください

在ニューヨーク日本国総領事館では、ホームページにはニューヨーク安全マニュアルというものを掲載しています。「ぜひこの機会に、一度確認して、ご活用していただければ幸いです。何かお困りのことがありましたら、総領事館にご相談ください。総領事館は常に皆さまと共にあります」と話してくれました。

北米の各総領事館では、皆さんのお住まいの地域の安全情報をホームページやメールでお知らせしています。メールは在留届を登録している方に送られるため、まだ在留届を出されていない方は、この機会にぜひ申請してください。

ニューヨーク市の犯罪マップ
https://maps.nyc.gov/crime/

ロサンゼルス市の犯罪マップ
https://www.crimemapping.com/map/ca/losangeles

ロサンゼルス市警の犯罪マップ
http://lapdonline.org/crime_mapping_and_compstat

在ロサンゼルス日本国総領事館
https://www.la.us.emb-japan.go.jp

カリフォルニア州森林管理・防火局
https://www.fire.ca.gov/incidents

山火事への備え(居住者向け)
https://www.readyforwildfire.org

AirNow(待機汚染状況情報)
https://www.airnow.gov

在ニューヨーク日本国総領事館
https://www.ny.us.emb-japan.go.jp


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