先週に引き続き、プエルトリコ特集の第3弾。今回は世界遺産の街としても知られるプエルトリコの首都サン・フアンの魅力をお届けします。
16世紀初頭から19世紀後半にかけてスペインの植民地だったプエルトリコ。今はアメリカの自治領であるこのカリブの楽園は、毎年300万人以上が訪れる人気の観光地です。
その観光の中心となっているのが、首都サン・フアンにある旧市街、オールド・サン・フアンです。スペイン統治時代の美しい街並みが残るオールド・サン・フアンの歴史的建造物や街の周辺を取り囲むように作られた砦(とりで)は、その文化的価値が認められ、1983年にユネスコの世界遺産に登録されました。
今回も現地リポーターの坪井恵子さんに、世界遺産の街、サン・フアンの魅力を伝えていただきます。
「まずご紹介したいのがこちら! サン・フアンの旧市街、オールド・サン・フアンです。これらの建造物の多くは16世紀から17世紀にかけて建てられたもので、石畳の道、そしてカラフルでとってもかわいらしいスペイン風の家屋が特徴的なんです。緑やピンク、むらさきなどのパステルカラーが南国のイメージを引き立たせてくれて、最近ではインスタスポットとしても大人気なんです」
「フォルタレサ通り」はオールド・サンファン1のインスタスポットです。
通りのレストランの従業員に、通りの上空に吊るされた傘について聞きました。「以前はいろんな色の傘が飾ってあったんですが、それらはハリケーンからの復興を願ったものでした。この色に変えた理由は復興への意識を高めることと、国際女性ウイークを意識したからです。この傘にはハリケーンの体験を忘れず、力強く生きようという意味が込められています」
およそ1年半前に起きたハリケーン・マリアの影響で、サン・フアンの街も大きな被害を受けましたが、今ではすっかり以前の姿を取り戻し、多くの観光客でにぎわいをみせています。
サン・フアン・バウティスタ大聖堂は1521年に建設され、サン・ファンで最も古い歴史を持つ建物で、1983年にはアメリカの世界遺産として登録されています。この大聖堂とともに、世界遺産となっているのが、プエルトリコの政府官邸、ラ・フォルタレサです。16世紀に建てられた歴史的建造物の一つで、当時は市街地を防衛するための軍事要塞としての役割も担っていました。
このラ・フォルタレサのように、サン・フアン周辺には海賊や外敵の侵入を防ぐために作られた砦が今でも残っています。この砦を見て回るのも、プエルトリコ観光の魅力なんです。
そして、坪井さんは、さらにオールド・サン・フアンの魅力を紹介してくれました。「歴史がたくさん詰まったオールド・サン・フアンですが、この街の魅力はそれだけじゃないんです! プエルトリコといえば、これ! ピナコラーダ!」
ここサン・フアンは、「ピナコラーダ発祥の地」としても知られているんです。ラムにパイナップルとココナッツミルクが混ざった甘くておいしいカクテルは、この街の名物なんです! 世界的にも有名なラムのメーカー「バカルディー」もプエルトリコで作られているんです。
そしてそのピナコラーダと一緒に食べて欲しいのが、プエルトリコの郷土料理! レストランのマネージャーに話を聞きました。「これはモフォンゴという料理です。タマネギとローリエの葉などを使ったソースを合わせています」
モフォンゴはプエルトリコの郷土料理。プランテンといわれる料理用バナナを、揚げてからつぶして丸めたもので、いろんなソースと合わせ、主食として食べるのが一般的です。
「モフォンゴは魚介や肉など何にでも合うんです。だからモフォンゴを頼めば味で失敗することはないの」
そしてもう一つ。プエルトリコ料理に欠かせないのがスパイスです。スパイス店オーナーに話を聞きました。「プエルトリコの人たちはスパイスが大好きなの。だけどいつも料理にスパイスを使うわけじゃなくて、『ピケ』というソースを料理にかけて食べるのが好きなの。これが地元のピケよ! テーブルに置いてスパイスが欲しい人が使うの。ピケには唐辛子を酢に漬けたもの、パイナップルなどのフルーツをオリーブオイルに漬けたものもあります」
地元で採れた野菜やフルーツなどをふんだんに使ったスパイスは、プエルトリコのお土産としても大人気なんです。
大型クルーズ客船が停泊する港にもたくさんのお土産屋が並び観光を楽しむ人々でにぎわいをみせていました。
最後に坪井さんは、「美しい海、豊かな熱帯雨林、そしておいしい料理。たくさんの魅力がつまったプエルトリコへ、みなさんもぜひお越し下さい。ブエンディアー!」と呼び掛けました。
気候も人もとっても温かくて、見どころ満載のプエルトリコ、皆さんも一度訪れてみてはいかがですか?