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使い方次第で健康増進も期待できる2021年注目の食用油

02/22/21 11:17 (ET)

アメリカのスーパーマーケットにはいろいろな種類の食用油が売られていますが、いつも同じ種類のものを使っているという人も多いのではないでしょうか? 実はこの食用油が、今アメリカで再注目されているんです! そこで今日は、その油の賢い使い方を専門家にうかがいました。

全米で500店舗を展開するスーパーマーケット、ホールフーズのバイヤーや食の専門家が選んだ、「2021年に流行しそうな食トレンド予想」では、健康や環境に優しい商品が注目される傾向がみられました。「さまざまな形の健康食品」、廃棄食材で作られた「リサイクル食品」など共に選ばれた「オイルへのこだわり」です。

在宅で料理をする機会が増えた人たちが、料理別にさまざまな風味の油を求めるようになってきているそうです。使い方次第では、健康増進も期待できる「油」について、生活習慣病の予防や改善などの指導を行なう、ヘルスコーチの白石里美さんに話をうかがいました。

「油、脂質は体の三大栄養素の一つです」と解説する白石さん。「ホルモンを構成するコレステロールの原材料になったり、細胞膜の原材料になったり、肌の細胞の一部にもなりますので、どんな油を摂取するかは、美容にも健康にもとても大切です。脂質といっても、いくつかに分類され、これらをバランスよく摂取するということが、とても大切で、油によって特性がありますので、それに合わせて調理別に使い分けると効率よく摂取することができます」といいます。

油は、「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に大きく分けることができます。飽和脂肪酸は、バターやラードなど動物性のものに多く、固体の油で、酸化しにくいのが特徴です。この脂肪酸は、体内でも合成でき摂り過ぎると生活習慣病のリスクが上がります。

一方、不飽和脂肪酸は、植物性の油に多く、液体で酸化しやすいのが特徴です。不飽和脂肪酸はさらに、「オメガ3」「オメガ6」「オメガ9」という脂肪酸に分けることができます。これらの油を使う際は、新鮮な、酸化していないものを使いましょう。酸化した油をとり続けると、老化を加速させたり、動脈硬化を引き起こす原因となり、体に害を与えてしまいます。

「オメガ3と6は必須脂肪酸といって、体内で生成することができない脂肪酸なので、食料から取る必要があります」と白石さん。

血液をさらさらにし、血圧を下げる効果もあるオメガ3を多く含む油には、フラックスシードオイルやヘンプシードオイル、エゴマ油があります。

特徴としては、「とても熱に弱く、酸化しやすいので、生でディップやドレッシング使うなど、とにかく熱や火を加えない調理法に使用することが大切になります」とのこと。

適量であれば、血中コレステロールを下げる働きをするオメガ6は、コーン油やゴマ油、ベジタブルオイル(大豆油)、グレープシードオイルなどに多く含まれます。

「レストランの外食、テイクアウト、加工品にも広く使われている油で、この現代食をとっている方にとっては、過剰になる傾向が多いです。そうすると、家ではできるだけオメガ6をとらないってことが大切になってきます」

次に悪玉コレステロールを抑える働きをするオメガ9。オリーブオイルやアボカドオイル、キャノーラ油などに多く含まれます。

「熱に強い油で、加熱に向いています。エキストラバージンオイルは、それほど熱に強くなくて、170度ぐらいで酸化してしまうといわれますが、炒めものぐらいでしたら問題ありません。それ以外のオリーブオイル、キャノーラオイルはとても熱に強いので、炒めものにもいいですし、オーブンでローストしたりとか、揚げものにも使用することができます」

加熱せずに積極的に取り入れたいオメガ3。とり過ぎには気をつけたいオメガ6。熱に強く普段使いに最適なオメガ9。今、特に注目されている油にはどんなものがあるのでしょうか?

白石さんによると、「最近アメリカでは、クルミのオイルで『ウォルナッツオイル』というものがありまして、これもオメガ3が多い油になります」とのこと。

クルミの香ばしい香りとナッツのうまみがサラダのドレッシングなどにピッタリだと近年注目されています。また最近では、熱に強いタイプのものも登場し、ヘルシーな万能オイルとして、人気を集めています。

そしてもう一つは、バターから作られ、健康に良いといわれる「ギー」。

「バターをよりろ過したものとして、ギーっていう油がありまして、これはですね、インドのアユールベータでもよく使われる油なんですけど、代謝を上げてくれたりだとか、あと腸を整える作用もあるといわれているんですね。ちょっと飽和脂肪酸を増やしたいなという方にはオススメの油です」と白石さんは解説してくれました。

ギーは摂取すると、すぐにエネルギーとして使われ、体に蓄積されにくいという特徴があります。熱にも強く、長期保存が可能で、動物性ならではの芳醇な味わいが楽しめると使う人が増えてきています。

日々の生活に欠かせない、食用油。油の特性を知った上で、生活の中に上手に取り入れていきたいですね。

バターをろ過したギーは、常温保存ができるため、スーパーマーケットでは、冷蔵セクションではなく油のエリアで売っているそうです。
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