世界各国で使われている 「絵文字」。実は、日本が発祥の地なんです。この絵文字が、 ニューヨーク近代美術館・MoMAでアートとして展示されました。 今や英語にもなった“Emoji”は、 1999年に携帯電話に導入された「笑顔」や「ハート」などの176種類の絵文字がオリジナル。作者は、当時ドコモで開発を担当していた栗田穣崇(しげたか)氏です。
MoMAでは「絵文字の進化」をテーマに、オリジナルの絵文字と現在の絵文字を比較できるように展示しています。トイレやレストランを表す絵文字を比較してみると、現在の絵文字はより立体的で、昔のものは平面的なものに見えます。 Collection Specialistのポールさんは絵文字についてこう説明します。「ほとんどの人は絵文字が日本発祥とは知りません。ドコモや作者の栗田穣崇さんのことも知らないにもかかわらず、絵文字からはとても日本らしさを感じられます。表情の作り方、桜や円のマークなどは日本の文化から来ていると分かります。今では世界中でこの絵文字が使われていますが、興味深い現象が起きています。例えば、歌舞伎で使われる鬼や天狗の絵文字。日本人にはそれが何なのか分かりますが、アフリカの人は分かりません。ですが、それを全く違う意味=呪術師として捉え、使用しているのです。ある文化が作った言葉を、別の文化が違う意味として使う。言葉の壁を越え違う文化を尊重することにも繋がると思います」。 MoMAを訪れた人たちに好きな絵文字について聞いてみました。「ハートや顔文字。最近は、サムズアップも使ってるわ」「お猿さん!」「顔文字が好きです。WhatsAppというアプリでは、文字を打ちかけのところで出てくる絵文字をクリックするだけで入れられるので簡単です」 さらに絵文字は時代の変化を受け、グローバル化を遂げました。 現在は、人種や肌の色が選べるようになり、家族を表す絵文字は男性と女性の夫婦だけではなくなりました。また、「Bitmoji」という自分の顔を絵文字にできるアプリも誕生し、アメリカを中心にユーザーが増え続けています。