世界で一番、女子サッカーの人気があるアメリカ。女子プロリーグは、「National Women’s Soccer League」と呼ばれ、全米に合計10チーム。そのシアトルのチーム「シアトル・レインFC」に、なでしこジャパンの川澄奈穂美選手と宇津木瑠美選手が所属しています。4月15日の開幕を前に、アメリカの女子サッカーリーグの魅力を語っていただきました。
カナダとの国境に接するワシントン州 最大都市のシアトル。海と山の自然に恵まれた美しい港街です。そのシアトルを拠点としているシアトル・レインFCは、2014、15年と2年連続で準優勝した強豪チーム。このチームの躍進を支えるのは、2人の日本人選手、川澄選手と宇津木選手です。
日本代表の中心選手として、ワールドカップ優勝、準優勝に貢献した川澄選手は、2014年と昨年の2シーズン、シアトルでプレーしています。川澄選手は、「私は体が大きいわけではなく、スピードがそんなにあるわけでもないのですが、その分、アジリティー(機敏性)や一瞬の駆け引き・判断という特徴を出してチームに貢献していきたいです」と語ります。
現在日本代表で活躍する宇津木選手は、フランスのトップチームから昨年シアトルへ移籍してきました。宇津木選手は、「私は日本の選手の中では大きく、ヨーロッパで長くプレーしていたことからダイナミックさもあります。また、 左利きなので、チームに左利きの選手がいることはスパイスになると思っています」と自己分析してくれました。
また、レインFCの熱血監督・ローラ・ハービーさんは、 「2人は技術が高く、知識にも長けています。フィールドにいない時も素晴らしい人たちだし、プロ意識も高い。チームにとってもプラスになります」と絶賛。
チームメイトにも聞いてみると、「私はINAC神戸に所属していたので川澄選手をよく知っています。彼女はとてもポジティブで、私もいい影響を受け、努力家なところを見習っています。宇津木選手は去年会ったばかりだけど、とても素晴らしい人です。」
リーグの開幕は4月15日。10チームによるホーム&アウェーの総当たり戦が9月末まで繰り広げられます。アメリカ女子サッカーは現在FIFAランク2位、競技人口は約167万人で、世界女子サッカー人口の4割を占めます。その人気の高さから、スタジアムにもたくさんのファンが訪れます。
両選手に女子サッカーの楽しみ方を伺いました。「アメリカの女子サッカーリーグは雰囲気自体が楽しいです。現地で観戦するとテレビの枠の外の部分がたくさん見られます。試合が終わった後にはゴール裏に柵が設けられ、ファンの方たちが並び、選手によってはサイン対応したり写真対応したりします。特に子供の姿が多く見られるのがこのリーグの特徴だと思います」と川澄選手。宇津木選手は、「試合の時間が夜なので、観に来られるお客さんが多いのが良いところです。選手たちと試合後にも触れ合えるのでファンの方や子供たちにとっては、刺激にもなると思います」とのこと。それを受けて川澄選手は、「お客さんたちとの触れ合いを見てもらっているというプロ意識があるので、選手にとっても非常に良いことじゃないかなと思います」と返答。
現在シアトルで暮らす2人にアメリカ生活で驚いたことを聞いてみると、川澄選手は、「お手洗いの便座が高い、鏡の高さが合わない、あとキッチン、シンクが高い! もうそれはいちいち思いましたね。デカイ! 高い!(笑)」と話し、それに対し宇津木選手は、「 皆さんがすごく親切だったり、すごく便利なものが多かったり。フランスでは日本文化のないところに住んでいて、日本のスーパーも一軒もなく、日本人に会うことも殆どなく、日本のレストランもなかったので、シアトルに来て日本の文化が根付いていることに驚きました」とのこと。
シアトル歴が長い川澄選手は、「友達が遊びにきてくれた時に、『ツアーガイドか!』っていうくらい連れ回したのですが、海の近くの観覧車や食事するところを案内しました。実際には行けませんでしたが、水族館も動物園もある…。都会と自然が混在しているのが、シアトルの街のいいところです。ぜひ遊びに来てもらいたいです」とシアトルの良さを語ってくれました。
最後に2人から「4月15日からアメリカプロ女子サッカーリーグが開幕になります。ぜひ見に来てください!応援よろしくお願いします!」とメッセージをもらいました。
2人が所属するレインFCは4月15日にシアトルのホームスタジアムで開幕試合があります。チケットは19ドルから購入できます。
Seattle Reign FC
http://www.reignfc.com/