歴史・趣味

スタインウェイ 美しい音色の秘密

12/14/18 10:46 (ET)
Image: スタインウェイ 美しい音色の秘密

年の瀬が近づくこの時期、ホリデーコンサートなど音楽鑑賞の機会も多いのではないでしょうか。その楽器から繰り出される美しい音色はどのように生まれるのか。ニューヨークにある一流のピアノメーカー「スタインウェイ」を取材し、製造の裏側をお伝えします。

世界のトップアーティストからも、若き未来のピアニストからも、165年に渡って変わらぬ高い評価を受けているスタインウェイのピアノ。世界のクラシックコンサートで使用されるピアノの98%がスタインウェイ製だということです。なぜスタインウェイが選ばれるのでしょうか? 一流メーカーの歴史とこだわりを探るため、ニューヨークのクイーンズ区にある工場を訪れました。

1853年創業の「スタインウェイ&サンズ」。ドイツからニューヨークに渡った家具職人、ヘンリー・スタインウェイが“世界最高のピアノを創りたい”とピアノ製造を始めました。スタインウェイは、ドイツから渡ってきた職人たちのために、住宅開発を行い、 教会や学校も建設、現在も至る所にその名前が刻まれています。

121418-2 美しい音色を奏でるスタインウェイのピアノの特徴は何なのでしょうか? 広報のアンソニー・ギルロイさんに話を聞きました。

「スタインウェイピアノは手作りで丹念に時間をかけています。その手作りの良さが分かるのはミュージシャンです。彼らにはその違いと魅力がはっきり分かります。ピアノは同じものが一つとしてなく、一台ずつ個性があります」

多くのピアニストたちが愛するピアノの製造の工程を取材させていただきました。工員は250人。この工場では年間およそ1500台を製造しています。 スタインウェイのピアノ製造の80パーセントは手作業で行われ、1台を1年かけて作っています。また、スタインウェイは139の特許技術を開発し、近代ピアノ製造の礎を築きました。

ここでは、グランドピアノの美しい曲線を描く、側板(がわいた)を作っています。側板は硬いカエデの薄板を18枚張り合わせてできています。

「これが側板曲げです側板を一気に曲げる方法はスタインウェイの特許で私たちが開発した技術です」

側板を5人の職人がタイミングを合わせて、一気に曲げます。このチームワークで行なう方法は160年以上変わっていません。曲げた側板は接着部分と形を安定させるため、湿度を調節された部屋で2、3カ月寝かせます。工場内は木材を最適な状態に維持できるように、常に湿度が調節されています。

そして、スタインウェイのピアノの心臓部とも言えるのが「響板(きょうばん)」です。外からは見えませんが音を振動させて大きくする、「スピーカー」の役割を担っています。

「響板に使われる木材アラスカ産のマツの一種です厳選された1%の部分しか使いません。上質なスタインウェイ級の樹種と呼ばれています」

厳選された木材の中からさらに、繊維を多く含み、木目が合うものを選んでいます。このように1万2000の部品をすべて組み立て、形になったピアノは、最後に念入りな調律、音色のチェックを行い、完成します。スタインウェイのピアノの寿命は長く、75年くらい使うことができます。

そのスタインウェイのピアノ作りでもっとも大切なのは、165年に渡り受け継がれている「職人たちのモノづくりへのこだわり」です。ニューヨーク工場の職人の多くが移民で、3世代に渡って働いている人もいます。職人の一人に話を聞くと「ユーゴスラビア生まれです。働いて46年になります。人生で最高の仕事です」と答えてくれました。

またアンソニーさんも、「人がもっとも大切です。すばらしい素材に、良いデザインがあったとしても、それを形にできる人の技術がなければ、美しい音色のピアノを作ることはできないのです」と語りました。

121418-1 スタインウェイのピアノが奏でる豊かな音の響き、それは「厳選された高品質の素材」、そして「職人の確かな技」が一体となって、生み出されているんです。 スタインウェイは一般向けにも工場見学ツアーを行なっています。ピアノについてもっと知りたいという方は参加されてみてはいかがでしょうか?
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