これからの季節、自宅でパーティーを計画されている方も多いのではないでしょうか? 今回は、ご自宅を華やかに彩るフラワーアレンジメントの仕方をお届けします。
美しい花をより魅力的に見せることができるフラワーアレンジメントは、まずテーマと色の基調を考えるところから始めます。
次に使う花を決めます。花は大きく四つのカテゴリーに分けられます。バラやカーネーションといった主役となる「マスフラワー」、ランやカサブランカといった存在感のある脇役「フォームフラワー」、カスミソウやスターチスといった隙間を埋め、全体をまとめる役割をする「フィラーフラワー」。そしてストックやスイトピーなどアレンジメントのアウトラインや高さ、幅を決める役割をする「ラインフラワー」です。これらのお花と緑を組み合わせて作っていきます。

フラワーアレンジメントを教えてくれるのは、元客室乗務員で、現在マンハッタンで、おもてなし教室を開催しているレイ雅美さんです。今回、家庭にある大きめのマグカップを使って、サンクスギビングをテーマに、オレンジ、黄色、赤を基調色にした、季節感あふれるフラワーアレンジメントを紹介してもらいました。
使うお花は、ヒマワリ、菊、バラ、ピペリカム、アジアンリリー、ソリダスターなど。
雅美さんは、「アメリカでは、菊やヒマワリは秋の花として皆さんに愛されています。ですので、明るい菊やヒマワリをアレンジメントの中に入れる方が多くいらっしゃいます」と教えてくれました。
まずは、吸水性スポンジ(フローラルフォーム)を準備します。スポンジは、今回、器として使用するマグカップより指2本分ほど出る高さにカット。器に入る大きさにカットしたら、花を挿しやすくするために角を面取りします。
吸収性スポンジに水を吸収させる際、スポンジが自然に水を吸収し、沈むまでは、触らないようにすることがポイントです。スポンジを無理に押しつけたり、水をくぐらせるだけで取り出したりしてしまうと、中まで水が染み込まず、スポンジの機能を果たしません。
続いて、花に付いている葉やトゲを全て取り除きます。次に水揚げを良くするために、水の中で茎を斜めにカットします。
「食卓に飾っていただくということで、360度、どの角度から見てもお花が美しく見えるように、ラウンド型に生けていきたいと思います」
まず、今回の主役となる菊を茎から15センチぐらいのところでカットし、中心から少しずらしたところに挿します。
この際の注意点として、雅美さんは、「表面に浅く挿してしまいますと、お水を吸収できなくなりますので、しっかり3センチほど挿していただきます」と指摘します。
一番高くなるポジションを決めたら、次に2番目、3番目は少し段差を落としながら、上から見ると三角形になるように、更に高さは上、真ん中、下というふうに3本挿します。
他のマスフラワーも最初に挿した花よりも高くならないような位置に挿していきます。
「ある程度大きい花でイメージがつきましたら、後から挿しにくくなるかもしれませんので、こちらの吸水性スポンジが隠れるようにグリーンを挿していきたいと思います。この際、コップの縁からしっかりと挿していきます」
残りの花もバランスよく、同じ花が隣り合わないように意識をしながら挿します。
「おすすめは3本、3カ所、常にトライアングル、トライアングルというふうに意識していただきますと、どの角度からもまんべんなくお花がきれいに入っているという状態ができます」
ある程度できたところで、花と目線を合わせて全体のバランスを整えます。最後にアクセントとなるグリーンや個性を出すためのドライフラワーなどを飾り付けます。

これで、サンクスギビングがテーマのフラワーアレンジメントの完成です。
続いては、高さのある花瓶に花を飾る際に、より華やかに、安定して生けることができる「スパイラルブーケ」の方法を教えてもらいました。
スパイラルブーケというのは、茎をらせん状に上にどんどん重ねていく手法で、最終的にでき上がった花がらせんを描くような形で茎が組まれたブーケです。
まずバラをらせん状に、上へ上へと足していきます。花を片手で持ち、親指、人差し指はひらいて、茎がぐらつかないように残りの指で押さえます。親指と人差し指の間にバラを入れていきます。同じ要領で、違う種類のお花を順番にらせん状に組んでいきます。ある程度、花が詰まってきたらバランスを見ます。
茎がらせん状になり、花全体が丸みを帯びてきたら、手で押さえている部分をひもや輪ゴムで結び、茎全体を水の中でカットし整えたら、花瓶に飾って完成です。お花屋さんが作ってくれるような、きれいな花束になりました。
「今年のホリデーシーズン、ご自宅を美しいお花で彩ってみてはいかがでしょうか?」と雅美さん。
どちらのアレンジメントも、ラッピングをしてプレゼントとして差し上げても喜ばれそうですよ。